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第二十章-第五幕- 反逆の少女達 第二十章-第四幕- 第3部 序章-第一幕- 勇者軍主力部隊は、グロフィス・イグジスターの 最終奥技の弱点が展開時間の遅さにある事に気付き、 人海戦術による波状攻撃をかけ、遂にロバートの持つ 人業魔神剣ギガスカリバーにより、大勢を決した。 後は、とどめを刺すだけである。 グロフィス・イグジスターを追い詰め、 いざ、とどめという時だった。 「うっ!?」 その時、ストレンジャーソードから 聖剣エンジェルランプが弾き出される。 ぱきぃぃぃぃん! あまりのエネルギー量に刀身が耐えかねたのだろう。 聖剣エンジェルランプは木っ端微塵に砕け散った。 ストレンジャーソードに纏わり突いていた 呪鞘カオスリキッドの効力も底を尽いている。 「ちいッ、切り札が!」 「……いいや、ここからは俺の出番だ!」 エリックが前に出て、もがき苦しむグロフィス・イグジスターの 下半身を思い切り杖で打ち据え、粉々に打ち砕く。 ニノンの翼を強引に引き千切り、自らの手に奪還した。 「我が家宝は返してもらう!」 自己再生させるために、翼は一時しまいこむ。 「子に手を出される時の親という生き物が、 どれだけ苛烈で残忍かを、貴様は思い知れ…… ヴァリアブル・スピード・オーバー・ヒール!!」 上半身に治癒魔法をかけるエリック。 「エリック殿! 何をしておるのじゃ!? それでは再生するぞ!」 アンリが制止するのを手で止めるエリック。 「これは治癒能力を過剰に引き出す禁断の魔法だ…… 過剰に治癒能力を引き出された生命は、やがてその力に 耐え切れず、己が再生能力の高さ故に圧殺されるのだ! もっとも、大勢に使えばただの治癒魔法止まりだがな。 対象が少なければ少ないほど『過剰治癒力』は上昇する」 「おがああああああああああああああッ!!?」 感じたこともない苦痛に、一層もがき苦しむイグジスター。 一瞬で傷が治り、それがより深い傷に変貌していく。 まさに悪意意外のなんでもない、狂気の魔法であった。 「負の感情の具現化生命体だか何だか知らんが、 俺の子に、勇者軍の子に手を出した愚を死ぬまで呪え!」 その怒りと憎しみの深さに、エナやマリーは戦慄さえした。 これが人の親の恐ろしさだというのだろうか。 それと同時に、底知れぬ悲しみも理解できた。 だとすれば止めるにあたわず。むしろ推してやるべきだろう。 それで彼の悲しみが、いくらかでも報われるなら。 「待て、おっさん」 と、そこにエンジェルランプを失ったロバートが割り込む。 「何故止める、ロバート。お前も想像してみろ。 産まれたばかりの弟を同じ目に遭わされたらと考えてみろ。 お前は俺を止められないはずだ」 「いいや、止めるね。こいつには一時の死すら温い」 ざすっ。 軽くだが、ストレンジャーソードを突き立てる。 「何をする気だ、ロバート!?」 「悪党には悪党の報いがある……!」 ロバートもまた、狂気の笑みを浮かべる。 グロフィス・イグジスターはもはや抵抗する気力も無い。 「貴様の力という力を剣で吸い取り、この剣をまた違う形に進化させる。 そして貴様の……イグジスターの同胞殺しという汚名を塗った上で、 全てが終わる時にその愚かさ加減を全世界の人間に晒した上で、 苦と惨と悲を絡めて地獄に落としてやる……!!」 「相も変わらず性格の悪い……」 よくもまあそんな面倒な処刑方法を思いつくものだと呆れるエリック。 「反対なのか?」 「賛成に決まっているだろうが! やれ!!」 「おっさんならそう言うと思ったぜ!」 「ぐおおおおおおおあああああああああッ!!?」 ストレンジャーソードがグロフィス・イグジスターの存在を吸収し、 黒く、禍々しく、おおよそ剣というより取っ手の付いただけの牙、 という趣がぴったり似合う、魔性の装備が出来上がった。 「マリー! カオスリキッドを貸せ! こいつを封印する!!」 「お……おお? 分かった!」 慌ててマリーはカオスリキッドを展開し、新たな剣を包む。 すると謎の剣の負のエネルギーが自動的にカオスリキッドに流れ込む。 「これはどうした事だ?」 訝るマリーに、アンリ姫は怪球ミームで解析を行う。 「そのままでは暴走しかねない負のパワーに満ちておるようじゃ。 しかし、カオスリキッドがその受け皿となって、 結果的に封印という形を取ってくれておる。 なおかつ、カオスリキッドのパワーチャージも出来るのじゃな」 感心したように言うアンリ姫。 後方で聖杯ライブチャージャーによる回復を行っている ローザはロクに聞いていないが、概ね全員納得した。 「で、その剣の銘はどうするつもりです? まさか、そのままストレンジャーソードとは呼べませんよ?」 「おいおい考えておくさ。次に使う時までにな」 アイゼンカグラのツッコミは華麗にスルーする。 「では、これにて本作戦を終了しましょう。 これからはイグジスターの識別装置を量産し、 各国と協力、連携してイグジスターを追い詰めなくては…… アンリ姫、あなたのその装置が鍵ですよ」 「うむ、承諾したのじゃ!」 ウォルフ王子の宣言でロバート救出作戦は終了となった。 「それじゃ、落ち着いたみたいだし、私は行く」 「ちょっと待ってイノちゃん!」 イノがそのまま立ち去ろうとしたのをレオナが止める。 「何? 私は勇者軍には入らないと言ったはず」 「そう! それ! だからあたしがそっちに入るッス!」 「何ぃぃぃぃッ!?」 ローザとマリーが揃って仰天した。 「ちょっと待て、何をお前勝手にやめるって!?」 「ロブ! 止めろ! これは立派な反逆行為だぞ!」 「ああ、いいぜ。貴様がそうしたいならすりゃいい」 ロバートは止めるどころかむしろ煽る。 「隊長いい奴ッス! じゃ、あたしはこれで! 今までいっぱいお世話になったッス! 今度会う時も敵じゃない事を祈ってるっスー!」 「い、いいの? ちょっと、レオナ?」 「いいからいいから」 珍しく慌てるイノに対し、笑顔で引っ張るレオナ。 「せめて動機を聞かせなさい、レオナさん!!」 ウォルフ王子がなおも止めるが、ロクに聞かずに離れて行く。 「隊長、何故止めないんだい?」 カイトが一応、ロバートに確認する。 「俺が誰だか忘れたのか? 俺は反逆の使途だぞ。 これがあいつの反逆だってんなら、 俺はそれをとにかく全うさせてやるだけだ」 「なるほど……火に油とはこの事で……」 苦笑するカイト。 エナはおずおずと、ヴァジェスに語りかけた。 「ヴァジェスさんも何で止めなかったんですか?」 「いや、俺は一応名目上は部外者だし。 別にカレン家に関わる事じゃねぇからなぁ。 最終的な裁量は、あくまでメインメンバーにあるし、 ロバートはああ言ってるし。あんたは?」 「止めようとしたのをクロカゲさんに止められたんです」 「ほう……どういう事か聞かせてもらおうか? クロカゲ」 「我……ミーム……通じた。我……見えた。 レオナ……イノ……かばう……動き……多い! レオナ……イノ……気に入ってた……止める……無駄!」 「それがニンジャなりの見方か」 ヴァジェスは少し笑う。 「でも、寂しいですね……あの人、ロバートさんを除けば、 私の最初の戦友だったんですよ。なのに……」 「何も今生の別れでもあるまい。泣くんじゃねぇ。 それにレオナの気持ちは少しだけ分からんでもねぇ。 たぶん、放っておけないツラと雰囲気持ってたんだろ」 「放っておけない?」 「そう、放っておけないんだ。それを反逆と呼びたきゃ呼べよ。 むしろ反逆の毒を纏った奴だから、嬉々として受け入れるだろ。 それがロバートの大器だ。今なら俺にも分かる」 「……ふうん……」 不思議なものを見るように、ロバートを見つめるエナ。 エリックは一人騒ぎには加わらず、レオナの動きも黙認した。 「まずは終わったよ、フォルテ、ゼブ、セティ」 一人呟くと、ようやく彼は少しだけ涙を流した。 涙は流し尽くしたはずなのに、悲願が達成されるとこの始末だ。 その情の脆さを悔しく思い、そしてまた泣いた。 「こんな所に墓なんか作ってやらないぞ……ロフ。 お前の墓は、ちゃんと妖精の森に建ててやるんだからな」 虚勢を張り、決意を固め、エリックは一人、歩き出す。 愛する妻と、残った子が待っている己の故郷へ。 そしてアンリ姫を除く各々が己の居場所へと戻り始めた。 アンリ姫は識別装置量産の指揮を執らねばならないのだった。 「エナ、早く来い!」 そしてロバートはエナを約束通りに迎える。 「俺達は遊軍として世界中を動き回るぞ。 イグジスターを見かけたら近くの部隊に救援を要請しつつ駆逐。 また気ままな二人旅が始まるってわけだな」 「二人と一匹です」 「にゃー」 ずっと隠れていた猫のポメが姿を見せる。 「お前、今回目立たんかったな?」 「ふぎー!!」 怒って爪で引っ掻こうとするポメを受け流すロバート。 「ふはははは! 再開早々飼い主に牙を剥くか。 本当に貴様は面白い猫だな、ポメ!!」 さっきの狂気とは裏腹に、猫を撫でる顔は本当に穏やかだった。 「じゃ、行きましょうか」 「おう!」 二人は、またどこへともなく歩き出した―― 来たるべき新たなる戦いへ向けて。 そしてどこか遠く。 イノとレオナは道すがら喋っていたりした。 「……勇者軍にいれば高給優遇は確実だったのに。変な人」 「イノちゃんは放っておけない感じがするんスよー。 これって、一種の宿命って奴じゃないッスかねー?」 「宿命、ね……なら、いっそ作ってみようかしら」 「何をッスか?」 「第2の勇者軍的軍閥プランをもっと具体的に、ね。 同等のメンバー構成に、資金源となるスポンサー、 活動理念と活動区域の保障調停に、各国とのパイプ繋ぎ。 私とあなたの実力があれば、きっと何だって出来るもの。 期待してみる。お願いだから応えてみせてね」 「はいッス! 勇者軍にこのままいるよりずっと面白そうッス!」 二人の少女は反逆の毒を抱いたまま笑い、夢を語った。 それが古より決められた運命であったかの如くに―― <第3部へ続く>
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はじける?勇者部運動会 東郷美森 背景解放前 背景解放後 CV 三森 すずこ ステータス ※ステータスの数値は初期値になります。 型 属性 レア度 HP ATK 踏ん張り 速度 CRT コスト SP 遠射型 青 SR 840 2430 E+ D- C+ 28 28 リーダースキル 臨戦態勢の索敵 青属性の勇者の移動速度+20% 必殺技 護国弾・青葉 種別 効果 ゲージ 技再使用時間 攻撃昇 10倍ダメージをライン範囲の敵に与え、10秒間自身のATK+20% 3 25秒 アビリティ ・・・させません! 発動条件 効果 必殺連動 10秒間自ペアの攻撃ペース+20% 神花・覚醒 神花/覚醒時 獲得精霊 初回神花 二回目回神花 三回目神花 R青坊主(青) SR青坊主(青) 一定覚醒値報酬 必要覚醒値 3 背景絵 勇者メダル1枚 神花解放 段階 必要コイン 必要属性結晶 上限Lv30 6,000 青の欠片x5 上限Lv50 - - 上限Lv70 - - ボイス 1 - 2 - 入手方法 イベント「はじける?勇者部運動会」ステージスコア全獲得報酬、バトルドロップ報酬 みんなで協力!!大赦ポイントキャンペーン大赦ポイント交換所18年2月、3月ラインナップ 名前
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二つ名:美食の勇者 名前: 詳細: 前人未踏の広い聖界、魔界のすべてのグルメを食べつくすため旅をする少女。路銀のためにと始めた物々交換は、実は魔界と聖界をまたにかけ物資の流通の一端を担っているとか その他:
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勇者だけが美女を得ることができる None but the brave deserves the fair. 勇者以外は誰も美女に値しない。 英語のことわざ。 元は英国の詩人・劇作家・批評家である「ジョン・ドライデン(John Dryden)」の、『アレクサンダーの饗宴(Alexander s Feast)』の一節。 『アレクサンダーの饗宴』はアレクサンダー大王(Alexander the Great)がペルシャの王ダレイオス3世(Darius)を破った時に開かれた饗宴を歌った詩。 Alexander s Feast; or, The Power of Music An Ode, in Honour of St. Cecilia s Day Twas at the royal feast, for Persia won By Philip s warlike son Aloft in awful state The godlike hero sate On his imperial throne; His valiant peers were plac d around; Their brows with roses and with myrtles bound (So should desert in arms be crown d.) The lovely That s, by his side, Sate like a blooming Eastern bride In flow r of youth and beauty s pride. Happy, happy, happy pair! None but the brave, None but the brave, None but the brave deserves the fair. ※以下省略 登場 第24話 チェギョンが皇太子でない自分をまだ好きでいてくれるか自信の持てないシンに、太皇太后がこのことわざを聞かせ、背中を押した。
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二つ名:菫青の勇者 名前:イオス 詳細: 過去の記憶をすべて失っている勇者。知り合いであると主張するものと、女神の言葉から菫青という二つ名であることだけはわかった。失った記憶を求めて古い勇者に会う旅をしている 基本設定 二つ名 菫青の勇者 名前 イオス(愛称 イオ) 性別 男 身長 168cm(変更アリ) 眼の色 すみれ、光の入りかたで群青や枯草色に変化 性格・人物像 すこし控えめな性格。 記憶が無くなっても根っこの部分は変わっておらず、あまり人見知りはしないが、すぐには信用しない。 気に入った者や、仲の良い者には軽口を言う。 口数は少ないが、話しかけられればちゃんと応え、会話をする。 複数人で行動するときは後ろを歩き、前を歩いている者を見るのが好き。 何を考えているかわからない。(たまになにも考えていなかったりする) 好き好んで戦いはしないが能力の都合上、特訓や軽い戦闘をする数は多い。 ミステリアス 能力 他の者の技を見て習得する(剣技、魔法) 元の者の能力自体は習得できない。 初めは威力は小さいが、使い続け熟練度を上げると強くなる。 覚醒 時間制限 習得した技の威力が限界を超える。 時間が切れるまで何度でも使える。 覚醒が解けた後、使った技は忘れる。 習得した技は組み合わせたり、連続技にしたりとアレンジ可能 技のストック:20くらい?
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愚痴っぽい勇者が主人公のRPG 概要・ストーリー 登場人物紹介
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5年目の勇者部 加賀城雀 CV 種崎 敦美 ステータス ※ステータスの数値は初期値になります。 型 属性 レア度 HP ATK 踏ん張り 速度 CRT コスト SP 近接型 黄 SSR 5040 3890 S- A D+ 24 28 リーダースキル アルフレッド 近接型勇者のATK+25% 必殺技 執事の大盾 種別 効果 ゲージ 技再使用時間 敵移動停止 10秒間敵全体を移動速度 1 15秒 アビリティ ウィ~マドモアゼ~ル! 発動条件 効果 痛恨 被クリティカル時、10秒間仲間全員のダメージカット4000 神花・覚醒 神花/覚醒時 獲得精霊 初回神花 二回目回神花 三回目神花 四回目神花 SR波山(黄) 一定覚醒値報酬 必要覚醒値 5 SSR波山(黄) 全開突破報酬 SR波山(黄) 最高級技うどん玉x15 神花解放 段階 必要コイン 必要属性結晶 上限Lv30 8,000 黄の欠片x7 上限Lv50 - - 上限Lv70 - - 上限Lv99 - - 上限Lv150 2,048,000 勇気の結び目・魂x1 勇気の結び目・絆x1 勇気の結び目・花x1 ボイス 1 - 2 - 入手方法 イベント2022年「6月 5年目の勇者部」交換所ラインナップ(5周年記念メダル・金20000個) 5周年イベント10連チケットガチャ 名前
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第十章-第三幕- ハッピー・バース 第十章-第二幕- 第2部 序章-第一幕- とりあえず落ち着いてくれたネイに、勇者軍主力部隊一同は質問する。 『一体あんたは何をしに来たのか』と。それこそがロバートの、 いや全員の最大の疑問である。作戦がたった今終了したのを 知らなかったのは仕方ないにしても、これはいくら何でも唐突であった。 その真実と真相が今明かされようとしていた―― 「そうそう、それだよ! この子にプレゼントを届けに来たの!」 嬉々として自らの息子を指差すネイ。 「これの事か?」 ロバートは押し付けられたストレンジャーソードを突き返す。 「人の話は最後までちゃんと聞きなさいって言ってるでしょ!」 ごん。 頭を拳骨で叩かれた。ちょっと鈍い音がした。 「ぬぅぉぉぉぉッ、痛い! 頭が割れる!?」 「ロバートさん、じっとして下さい!」 慌てて治癒の呪文詠唱を中断してしまったエナが窘めるが、 相当なパワーの拳骨である。常人なら死んでいておかしくない。 じっとしていろ、というのもどだい無理な相談である。 「ていうかあんたこそ人の話をちゃんと聞けよ! いきなり攻撃してきやがって!」 思わず反論するロブの口を、エリックが塞ぐ。 「あーもう落ち着けって。話が進まないから。 で、一体何でまたプレゼントなんだ?」 「バースデープレゼントだよ! 任務完了を見越してのお祝いも兼ねて!」 「……あ?」 ロバートとウォルフ王子、それからマリーとエリックが 間抜けな口をぽかんと開ける。呆れた表情だ。 「俺の誕生日は三ヶ月前に終わっとるわ! 何言ってんだ!」 「総帥……お疲れでしたらホテルを手配しますので」 「おいたわしや、総帥……こんな馬鹿息子がいるばかりに……」 「おい、ネイ? ボケるには早いぞ?」 四人揃って言いたい放題である。 「だーもう! 違うの! ロブ、あんた覚えてる? 自分が四歳と五歳の時に、何を欲しがったのかを!?」 「うえ!? そんな前の!? 覚えてねーわー……」 それを聞き、ネイはパチンと指を鳴らす。 ざりっ、ざりっ。 近くの林から歩行音が聞こえる。獣のそれである。 「みゃ~……」 出てきたのは一匹の猫であった。しかし―― 「うおっ、でかっ!?」 マンチカンの子猫? と思しきそれはサイズが尋常ではない。 軽く全長七メートル級である。紐がくくりつけられており、 その上には一個の籠が積載されていたりする。 「あんたが四歳の頃に『おっきな猫さんが欲しい』って言ったでしょ? 勇者軍研究部の技術の粋を結集して生み出した遺伝子調整猫、 その名もジャンボマンチカンの『ジャンボ』だよ!」 「いや誰もこんなデカいのよこせたぁ言ってねぇよ!?」 珍しくツッコミに回るロバート。 親子揃って非常識甚だしい連中であった。 「てか、その上の籠は何なんですか?」 アイゼンカグラが指摘する通り、籠はもぞもぞと揺れている。 「そっちは五歳の時に『弟か妹が欲しい』って言ったでしょ? なんとか頑張って出来た弟だよ。名前はジョゼフ。 家にいる時は可愛がってあげてね!!」 ロバートが確認すると確かに赤ん坊――男児が乗っている。 「俺の……弟?」 「そう、弟。久しぶりの出産だから頑張っちゃったよー」 にこやかに微笑む母親。恥じらいは全く無いが、 それは言わないお約束というものであろうか。 「おい……弟。初めまして、だな?」 とか言いつつ、ロバートはジョゼフのほっぺたをつつく。 「ふぇっ」 知らない相手が出てきてびっくりしているのだろう。 ジョゼフは今にも泣きそうだ。 「うぉっ、馬鹿、泣くな。焦る……!」 慌てて抱き上げてゆすったりなだめたりしてみる。 初めてにしてはなかなかの手際である。 次第に落ち着き、泣くのをやめるジョゼフ。 「よしよし……」 なんとか泣かせるまいと、マリーやエナも手伝う。 なんだかんだ言っても、二人とも慣れていない。 故に無理があるのは仕方が無いだろう。 「まだまだだな、二人とも」 「しょうがないよ。まだ母親じゃないからね」 人の親という立場上のエリックとネイは笑う。 「にあー」 よちよち歩きだが、(主に大きさのせいで)異常な迫力のジャンボは、 さっそくアンリ姫に可愛がられていた。 「ロブは幸せ者なのじゃ。自らのためにここまで無茶をしてくれる 御母堂殿がいるのじゃ。それはとても良い事じゃな? メゴ」 「いや、それはいいんですけど……ひょっとしてこの猫は もっと大きくなるのではないでしょうね……?」 その疑問にはネイが答える。 「研究部が言うにはそれは子猫だから、あと三メートルほど 最終的には大きくなる見込みらしいね。どう、ロブ?」 「……これはウチの資産で飼うつもりか? 家が破産すんぞ」 「何言ってんのこの子は。全部経費に決まってるだろ?」 「より一層ダメじゃねーか!」 「ふぇー!」 大声を出したのでジョゼフが泣き出した。 「おっさん、パス!」 「ああもう、手際悪いなオイ! よしよーし」 エリックに任せて、安心してロバートは頭痛に悩む。 「嬉しいかい?」 「……律儀だよ、あんたは」 頭を抱えながらも、かろうじてロバートは答えた。 なんだかんだ言って約束を守ってもらって悪い気はしないのだ。 その答えに満足し、ネイはロバートの頭を撫でるのだった。 「ハッピー・バースだね、ジョゼフ?」 「あぅー」 エリックに抱かれて笑うジョゼフ。 悲しみを乗り越え、幸福へ至る道が出来るかどうか、 それはこれからの彼等自身にかかっているのだった。 「さあ、まずは任務終了の手続きだよ、アーム城へ帰ろう!」 「イエス・マム!」 ネイの宣言にロバート以下、一同が元気良く応じる。 まずはこれで一件落着であった。 勇者軍主力部隊は、任務を終え、帰路につく―― <第2部へ続く>
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スーパー勇者パワー 属性 強化 効果 3ターンの間、全能力4倍 習得 勇者ハロルド 英雄ハロルド
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二つ名:黒氷の勇者 名前: 詳細: 冷気の魔術を得意とする勇者だったのだが、とある魔王に呪いを受け作り出す氷は黒色に、制御もうまくできなくなってしまい、常に周りに冷気が拡散してしまい困っている その他: